ウスアカイソギンチャク

Nemanthus nitidus (Wassilieff)



 種々のヤギ類の上に付く種です。体の割には触手の部分が大きく、触手を打ち振って多少とも泳ぐことができるようです。付いたヤギの表面で、無性的に分裂を繰り返し増殖します。分裂後の2匹は互いの足盤を接したようにヤギの骨格にくっついています。このようにして分裂を繰り返すと、やがてヤギの表面はウスアカイソギンチャクで覆い尽くされてしまいます。むろんヤギの覆われた部分は死んでしまいます。分裂しても包むべきヤギの骨格がなくなってしまうと、分裂した個体は多分はがれて潮流に流され、別のヤギにたどり着くものと思われます。足盤にある物に吸着するための筋肉が一般のイソギンチャク類に比べて弱いことがそれを暗示しています。ウスアカイソギンチャクは濁ピンク色の体壁をしていて、そこに斑紋のないものと暗褐色の斑紋を持つものがあります。また斑紋も、ケシ粒の様に細かなものから非常に大きなものまであります。

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