○新宮市太陽光発電設備と地域環境との調和に関する条例
平成31年3月29日条例第4号
新宮市太陽光発電設備と地域環境との調和に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置による自然環境、生活環境、景観等に及ぼす影響に鑑み、太陽光発電設備の設置について必要な事項を定めることにより、太陽光発電事業と地域との調和及び自然環境の維持を図り、もって本市の良好な環境の保全に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその付属設備をいう。
(2) 太陽光発電事業 太陽光発電設備の全部又は一部を土地又は造成した土地に設置し、電気を得る事業をいう。
(3) 事業区域 太陽光発電事業の用に供する土地の区域をいう。
(4) 近隣住民 太陽光発電設備の設置に伴い生活環境等に一定の影響を受けるおそれがある者(団体を含む。)として規則で定めるものをいう。
(適用範囲)
第3条 この条例の適用を受ける太陽光発電設備は、発電出力が50キロワット未満のものとする。ただし、太陽光発電設備のうち太陽光を電気に変換する設備の全部を建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号の建築物をいう。)に設置するものを除くものとする。
(市の責務)
第4条 市は、第1条に掲げる目的を達成するため、太陽光発電事業の適正かつ円滑な運用が図られるよう必要な措置を講ずるものとする。
(事業者の責務)
第5条 太陽光発電事業を行う者(太陽光発電事業を行おうとするものを含む。以下「太陽光発電事業実施者」という。)は、太陽光発電設備の設置、維持管理、廃止等について関係法令等を遵守するとともに、地域の状況に応じた防災、環境保全、周辺の景観との調和等に配慮しなければならない。
2 太陽光発電事業実施者は、近隣住民の生活環境への影響について十分に配慮し、事業について理解を得られるよう努めるとともに、紛争、被害等が生じたときは自らの責任と負担において解決しなければならない。
3 太陽光発電事業実施者は、発電事業の施行に伴う災害防止に万全を期すとともに、被害が生じた場合は、自らの責任において速やかに解決しなければならない。
(事前協議)
第6条 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電事業を実施しようとするときは、事前に市長に申し出て、当該太陽光発電設備の設置等に関する計画(以下「事業計画」という。)について協議しなければならない。
(近隣住民への説明)
第7条 太陽光発電事業実施者は、前条の協議の後、次条の規定による届出をする前に、近隣住民に対し、当該事業計画の内容について十分な理解が得られるよう規則で定めるところにより説明を行わなければならない。
(事業計画の届出)
第8条 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電設備の設置に係る工事をしようとするときは、当該工事に着手する日の30日前までに、前条の規定による近隣住民への説明の実施状況を記録した書類を添えて、事業計画を市長に届け出なければならない。
2 事業計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 設置者(太陽光発電設備を設置する者をいう。)及び管理者(太陽光発電設備を管理するものをいう。)の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 事業区域の所在地及び面積
(3) 設置工事の着手予定日、完了予定日及び工事の内容
(4) 太陽光発電設備の構造及び発電出力
(5) 太陽光発電設備の保守点検及び維持管理に係る計画
(6) 事業終了後の適切な撤去及び処分の時期、方法及び必要な費用にかかる計画
(7) その他市長が必要と認める事項
(事業計画の公表)
第9条 市長は、前条第1項の規定による届出があったときは、遅滞なく同条第2項第1号から第4号までに掲げる事項を公表するものとする。
(着手届の提出)
第10条 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電設備の設置に関する工事に着手したときは、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。
(完了報告書の提出)
第11条 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電設備の設置に関する工事が完了したときは、速やかに、工事の完了について市長に報告しなければならない。
(変更協議等)
第12条 太陽光発電事業実施者は、第8条(第2項において準用する場合を含む。第16条において同じ。)の規定により届け出た事業計画に変更のあるときは、あらかじめ市長に申し出て、変更する事項について協議しなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 第7条から前条までの規定は、前項本文に規定する場合について準用する。
(廃止の届出)
第13条 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電事業を廃止するときは、あらかじめ、市長に届け出なければならない。
2 太陽光発電事業実施者は、太陽光発電設備の解体、撤去及び廃棄その他事業の廃止に関し、関係法令に則り必要な措置を講じなければならない。
(指導及び助言)
第14条 市長は、太陽光発電事業実施者に対し、太陽光発電事業の適正な実施のために必要な指導及び助言を行うものとする。
(報告徴収及び立入検査)
第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業計画を提出した太陽光発電事業実施者に対し、その業務の状況、太陽光発電設備及び事業区域内の土地の状況その他必要な事項に関し報告をさせ、又はその職員に、当該太陽光発電事業実施者の事業所若しくは事業区域に立ち入り、帳簿、書類、太陽光発電設備その他の物件の検査をさせることができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その権限を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(勧告及び公表)
第16条 市長は、太陽光発電事業実施者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該太陽光発電事業実施者に対し、期限を定めて、必要な措置を行うべきことを勧告することができる。
(1) 第8条の規定により届け出た事業計画に沿って事業を実施していないと認めるとき。
(2) 第8条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
(3) 第10条(第12条第2項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
(4) 正当な理由がなく前条第1項の規定により求められた報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
(国及び県への情報提供)
第17条 市長は、前条第1項の規定による勧告に従わない太陽光発電事業実施者について、国及び和歌山県に必要な情報を提供することができる。
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日から30日以内に太陽光発電設備の設置に係る工事に着手する太陽光発電事業者については、当該太陽光発電事業に関し、第6条から第8条まで及び第12条の規定は、適用しない。