ヤタガラス 研究資料

熊野の自然

動植物 > 鳥

熊野で確認できた鳥
# 和名
1 カイツブリ カイツブリ カイツブリ
2 ハジロカイツブリ
3 ミミカイツブリ
4 カンムリカイツブリ
5 ミズナギドリ アホウドリ コアホウドリ
6 ミズナギドリ フルマカモメ
7 オオシロハラミズナギドリ
8 シロハラミズナギドリ
9 オオミズナギドリ
10 ハシボソミズナギドリ
11 ペリカン カツオドリ カツオドリ
12 カワウ
13 ウミウ
14 ヒメウ
15 グンカンドリ コグンカンドリ
16 コウノトリ サギ ヨシゴイ
17 ゴイサギ
18 ササゴイ
19 アカガシラサギ
20 アマサギ
21 ダイサギ
22 チュウサギ
23 コサギ
24 クロサギ
25 アオサギ
26 コウノトリ コウノトリ
27 トキ クロツラヘラサギ
28 カモ カモ コクガン
29 マガン
30 オオハクチョウ
31 コハクチョウ
32 オシドリ
33 マガモ
34 カルガモ
35 コガモ
36 アメリカコガモ
37 ヨシガモ
38 オカヨシガモ
39 ヒドリガモ
40 アメリカヒドリ
41 オナガガモ
42 ハシビロガモ
43 ホシハジロ
44 キンクロハジロ
45 スズガモ
46 クロガモ
47 ホオジロガモ
48 ミコアイサ
49 ウミアイサ
50 カワアイサ
51 タカ タカ ミサゴ
52 ハチクマ
53 トビ
54 オオタカ
55 ツミ
56 ノスリ
57 サシバ
58 クマタカ
59 ハヤブサ ハヤブサ
60 チョウゲンボウ
61 キジ キジ ウズラ
62 ヤマドリ
63 キジ
64 ツル ツル ナベヅル
65 クイナ クイナ
66 ヒクイナ
67 バン
68 ツルクイナ
69 オオバン
70 チドリ タマシギ タマシギ
71 チドリ コチドリ
72 イカルチドリ
73 シロチドリ
74 メダイチドリ
75 ムナグロ
76 ダイゼン
77 ケリ
78 タゲリ
79 シギ キョウジョシギ
80 トウネン
81 ウズラシギ
82 ハマシギ
83 サルハマシギ
84 ミユビシギ
85 エリマキシギ
86 アカアシシギ
87 コアオアシシギ
88 アオアシシギ
89 クサシギ
90 タカブシギ
91 キアシシギ
92 イソシギ
93 ソリハシシギ
94 オオソリハシシギ
95 ホウロクシギ
96 チュウシャクシギ
97 コシャクシギ
98 ヤマシギ
99 タシギ
100 セイタカシギ セイタカシギ
101 ヒレアシシギ アカエリヒレアシシギ
102 カモメ ユリカモメ
103 セグロカモメ
104 オオセグロカモメ
105 ワシカモメ
106 シロカモメ
107 カモメ
108 ウミネコ
109 ミツユビカモメ
110 クロハラアジサシ
111 オニアジサシ
112 アジサシ
113 セグロアジサシ
114 コアジサシ
115 クロアジサシ
116 ウミスズメ カンムリウミスズメ
117 ハト ハト キジバト
118 アオバト
119 カッコウ カッコウ ジュウイチ
120 カッコウ
121 ツツドリ
122 ホトトギス
123 フクロウ フクロウ コミミズク
124 コノハズク
125 オオコノハズク
126 アオバズク
127 フクロウ
128 アマツバメ アマツバメ ハリオアマツバメ
129 ヒメアマツバメ
130 アマツバメ
131 ブッポウソウ カワセミ ヤマセミ
132 アカショウビン
133 カワセミ
134 ブッポウソウ
135 ヤツガシラ ヤツガシラ
136 キツツキ キツツキ アリスイ
137 アオゲラ
138 アカゲラ
139 オオアカゲラ
140 コゲラ
141 スズメ ヒバリ ヒメコウテンシ
142 ヒバリ
143 ツバメ ツバメ
144 コシアカツバメ
145 イワツバメ
146 セキレイ イワミセキレイ
147 ツメナガセキレイ
148 キセキレイ
149 ハクセキレイ
150 セグロセキレイ
151 マミジロタヒバリ
152 ビンズイ
153 ムネアカタヒバリ
154 タヒバリ
155 サンショウクイ サンショウクイ
156 ヒヨドリ ヒヨドリ
157 モズ チゴモズ
158 モズ
159 レンジャク キレンジャク
160 ヒレンジャク
161 カワガラス カワガラス
162 ミソサザイ ミソサザイ
163 イワヒバリ カヤクグリ
164 ツグミ コマドリ
165 ノゴマ
166 コルリ
167 ルリビタキ
168 ジョウビタキ
169 ノビタキ
170 イソヒヨドリ
171 トラツグミ
172 クロツグミ
173 アカハラ
174 シロハラ
175 ツグミ
176 ウグイス ヤブサメ
177 ウグイス
178 ウチヤマシマセンニュウ
179 オオヨシキリ
180 セッカ
181 ヒタキ キビタキ
182 オオルリ
183 サメビタキ
184 エゾビタキ
185 コサメビタキ
186 カササギヒタキ サンコウチョウ
187 エナガ エナガ
188 ツリスガラ ツリスガラ
189 シジュウカラ コガラ
190 ヒガラ
191 ヤマガラ
192 シジュウカラ
193 ゴジュウカラ
194 キバシリ キバシリ
195 メジロ メジロ
196 ホオジロ ホオジロ
197 ホオアカ
198 コホオアカ
199 カシラダカ
200 ミヤマホオジロ
201 ズグロチャキンチョウ
202 アオジ
203 クロジ
204 オオジュリン
205 アトリ アトリ
206 カワラヒワ
207 マヒワ
208 ハギマシコ
209 オオマシコ
210 ベニマシコ
211 ウソ
212 イカル
213 シメ
214 ハタオリドリ スズメ
215 ムクドリ ギンムクドリ
216 コムクドリ
217 カラムクドリ
218 ムクドリ
219 カラス カケス
220 ハシボソガラス
221 ハシブトガラス
222 キジ キジ コジュケイ
223 コウライキジ
224 ハト ハト カワラバト(ドバト)
225 スズメ チメドリ ソウシチョウ
226 カエデチョウ ベニスズメ
227 ムクドリ ハッカチョウ

データ提供 日本野鳥の会和歌山県支部 会員 2004/02/01現在


熊野の代表的な鳥
イソヒヨドリ

ヒヨドリという名前がついているが、ツグミに近い種類、大きさもツグミ大。 年中見られる留鳥で、海辺の崖などの多い岩礁海岸で繁殖するので、熊野の磯ではおなじみの野鳥である。
雄は頭・胸・背がルリ色、腹がオレンジ色で目立つが、雌は全身黒味をおびた褐色で、胸から腹にウロコ模様がある地味な鳥だ。 囀りはホイピーチョイチョイ、ツツピーコー等と磯できたえた綺麗な声で鳴く。 食性は、カミキリムシなどの昆虫やフナムシ、カニそれにムカデなども食べる。 熊野の美しい海岸に守られている鳥であろう。
しかし、近年は内陸まで侵入してきており、海辺の住宅地はもとより、熊野でも古座川の一枚岩や那智山などでも見られるようになった。 何で内陸を目指すようになったのか、今後何処まで侵入するのか、気になるところである。

ウチヤマセンニュウ

レッドデーターブック(日本の絶滅のおそれのある野生生物)の絶滅危惧U類に掲載されている種類。
ウグイスに似ているが、嘴や足が長く、体も大きい。 全長17p。 頭や背部は暗緑色をしており、眼の上には白っぽい眉斑がある。 のどや胸・腹部などは褐色がかった白色。 囀りは、チュルルルル、チュカチュカチュカ。 日本では夏鳥として伊豆諸島や玄界灘・日向灘そして熊野灘などで繁殖する。 北海道で繁殖するシマセンニュウに似ていることからかってはシマセンニュウの亜種とされていた。 シマセンニュウより褐色っぽさが少なく、嘴や尾・足が長い。 草薮や笹薮・海岸性照葉樹林などに生息している。 囀りの時でもあまり目立つところには上がらない。 巣立ち雛は地面を這うように飛ぶ。
熊野では、孔島(新宮市)、九龍島(古座町)、双島(串本町)、三崎(すさみ町)、鹿島(南部町)などで繁殖している。
この種の繁殖のほとんどは、島でおこなわれている。 その理由の一つに天敵である肉食獣などがいないことが上げられる。 しかし孔島は陸つづきになっていることもあり、近年、野良猫の侵入(あるいは故意に放たれた?)事例が散見されている。 孔島は熊野でも繁殖数が多いほうなので、今後も繁殖状況を把握し、保護対策に取り組んでいきたい。

クロサギ

全体がすすけた黒色で、頭に短い冠羽があり、嘴はやや太めで長く、足は比較的短い中型のサギ。 全長は60cm前後で、翼開長は約100cm。嘴と足の色は個体差が多く、嘴は黒褐色や黄褐色、足は黄緑色や緑褐色で足指は黄色味が強い。
東アジア・東南アジア・オーストラリア・ミクロネシアに分布し、日本では本州以南の岩の多い海岸に留鳥として生息する。 奄美・沖縄地方では、全体が白色の白色型も見られる。 岩礁にとまったり、岩の上を歩いたりして餌をとるが、海の中の生け簀などの上で魚をねらっていることもある。 たまに砂浜や海に近い水田で見られることもある。 飛翔時には、首を曲げて翼をゆっくり羽ばたき、海上や岩礁上を低く飛ぶ。 鳴き声はコサギなどに似てグワァーという。
繁殖期は、4月下旬から7月上旬で、海岸の岩棚や崖の隙間に巣を作る。 卵は、淡青色無斑で44×34o位、4〜5個産む。
熊野地方はリアス式海岸が多く見られるので、クロサギにとっては棲み易い環境だと思われる。

イワツバメ

全長14.5cmでツバメより小さい。 頭上・背・翼の上面・尾は黒色で、腰は白く目立つ。 喉から頬や胸腹部などの下面は白色。尾はツバメより短く、切れ込みは浅く角尾のように見えることもある。 嘴は黒色。足は肌色。
囀りは、ピィーイ、ピィチィチュウピィチュギュウ…などヒバリのような節まわし。 飛びながら、ジュルジュルやチュビッなど濁った声で鳴く。
九州以北に夏鳥として渡来し、山地や海岸の崖や洞くつなどに集団で営巣するが、近年は学校や橋の下など大きな建造物を利用することが多くなった。 巣は球形で、上のほうに出入り口がある。卵は3〜4個産む。
熊野では、那智山滝見寺や那智大橋・勝浦漁業協同組合市場・古座町姫の陸橋などで営巣している。 冬は東南アジアやインドなどに渡っていくが、日本でも九州やこの熊野では越冬しており、集団で飛び交うのが時々見られる。

セグロカモメ

ユーラシアおよび北アメリカ北部で繁殖し、ヨーロッパ・中国・北アメリカの沿岸部・日本などで越冬する冬鳥である。 熊野では最も普通のカモメで10月から4月の間に見られる。
全長は60cmで、カラスより一回り大きい。 翼開長は135cm。頭部と腹部などの体下面は白だが、冬羽では頭から頸にかけて褐色の小班が密に入る。 翼・背などの体上面は青灰色。嘴は黄色で、下嘴先端付近に赤い斑がある。 足はピンク色。 良く似ているオオセグロカモメは、背や翼の上面が濃く、翼下面の黒色部が多い。 両種とも若鳥は全身褐色で、野外ではほとんど区別できない。
海辺に生息しており、海岸や小島、港の防波堤や生け簀、河口の中洲などで集団で休んでいるのを良く目にする。 食性は魚介類が中心だが、死んだ魚なども食べるので、「海の掃除屋」の役目も果たしている。 漁船が帰港すると、おこぼれを頂戴しようと群舞する。 太地では鯨類の解体時に多数集まる。
一方、釣り人が放置した釣り針などが付いたままの餌を飲み込み、テズスを体に巻き付ける事故が散見されている。

文 熊野自然保護連絡協議会 白水 博