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2010年9月17日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
熊野川町史 通史編 概要

本の構成は 1.通史 2.部門史 3.村々の歴史 となっています。

一般に市町村史は原始・古代・中世・近世・近代・現代と年代順に記述していますが、その形式をとらず、
むしろ時代は片寄っても、今まであまり知られていない郷土の特徴のある事柄を調べ出すことに力を入れ、
徹底的に史料の分析、実態調査をくり返しました。

主として、近世以前は「熊野全域の中での熊野川町」を描き、近代・現代は「熊野川町域」の歴史を記しています。

概要

  • 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録をどうとらえたか。
    <熊野川>を重点的にとりあげました。
    中世・近世・近現代の間を信仰以外・生産・流通・交通・人々の交流・開発など、「人々の生活」という観点で記述しました。
    これまであまり注目されていない史料に目をつけ、中世・近世(近代以前)の支配の状況と村落の実態を部門史に収めました。
    薩摩守忠度の生誕説に結論を出しました。
     
  • 近世の熊野
    紀州本藩と水野氏の所領支配を区別し、統治体制の違いを明らかにしました。
    「水野氏の所領は三万五千石であるが熊野炭の専売制により利益をあげ十万石の大名に匹敵する」という定説は正しいかどうか検証しました。
    池田炭役所の役割を分析しました。
     
  • 明治期の熊野
    人々が全力をあげて取り組んだのは何かを考え、
    ・子供の教育をどう考えたか
    ・道路の拡張整備にどう取り組んだか
    を描きました。
    飛び地(玉置口村・嶋津村)はなぜ出来たかを分析しました。
     
  • 大正期の熊野  
    熊野川・北山川水系の電源開発、内務省の国立公園の設定問題を取り上げました。
     
  • 昭和前期の熊野
    昭和恐慌にどう対処したか、また戦争の長期化と食糧増産について記述しました。
     
  • 現在のかかえる問題
    熊野川の電源開発問題、熊野川町の誕生について記述し、残されている課題は何かについて考えました。

第一編 通史

熊野川町域を通観した総合的な記述で、古代から現代に至る熊野川町域およびその周辺の村々の発展過程全般について記述しています。

また、熊野川、北山川、十津川流域の三重・奈良両県民は、明治初年まで同じ村民として生活の基盤をともにしてきましたので、現在の行政区画ではくくりきれない問題が多くあり、それらの人々との歴史も包括的に記述しました。

第二編 部門史

執筆者の専門分野に関する諸問題について、自由に筆をふるっていただきました。

薩摩守忠度、御幸と巡礼、水野氏の治世、飛び地、民俗、災害特に水害、鉱業、山林、水運、養蚕、交通といったさまざまな問題を熊野川流域の住民は共有しており、その内容の理解は難しさもある反面深みがあり、大変興味深い読み物になりました。

第三編 村々の歴史

熊野川町を構成した旧村、
小口・三津ノ・九重・玉置口・敷屋の計5か村の歴史について述べたものです。

5か村は熊野地方の山村としてよく似た立地条件にありながら異なった特殊性をもっており、互いに交錯しながらも別々の道を歩んできました。
その歴史を、これらの土地を研究テーマにしている執筆陣が興味深く取り上げました。

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