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2025年4月30日 更新 印刷用ページ印刷用ページを開く
新宮下本町遺跡
新宮下本町遺跡は、令和4年11月10日に官報告示され、国史跡に指定されました。

1.遺跡の概要

 新宮下本町遺跡は熊野川の河口から約2km上流南岸の自然堤防上に立地する中世の港湾関係遺跡です。遺跡は、丹鶴山(史跡新宮城跡)の西麓に位置することから波風の影響を受けにくい立地となっています。中世の新宮は太平洋航路における重要な港湾の一つであったと考えられ、平安時代末以降、熊野三山による太平洋航路を利用した各地との交流・交易の記録が残っています。
 新宮市教育委員会が実施した発掘調査では、12世紀後葉から16世紀中頃(平安時代末から室町時代)にかけての港湾(港町)に関係する遺跡が確認されました。地下式倉庫が多数確認されており、倉庫が建ち並ぶ港の風景を想像することができます。また、鍛冶遺構が確認されており、舟釘が出土していることから周辺で船の修繕等が行われていた可能性があります。遺物は、常滑焼や瀬戸焼等の東海地方の陶器を中心に出土していますが、備前焼などの西日本の陶器も見られ、紀伊半島の東西各地との交流が窺えます。
 新宮下本町遺跡は中世以降、太平洋航路の重要な拠点であった新宮における港湾や海を介した交流の実態を知る上で重要なだけでなく、中世の海上交通と宗教勢力のとの関係や、平安時代末頃以降から全国へ信仰が拡大する熊野三山の経済基盤等について考える上でも重要な遺跡です。

遺跡遠景の写真

遺跡遠景(第2次調査時)

地下式倉庫の写真

地下式倉庫(室町時代)

石段通路の写真

川へと下る石段通路と石垣(室町時代)

2.調査報告書

総合調査報告書のデータは下段よりダウンロードいただけます。
※写真・挿図の一部は、低解像度版になっています。

3.保存活用計画

令和7年3月31日に保存活用計画を策定しました。
内容は以下のリンクよりご覧いただけます。

『総合調査報告書』のPDFファイルはこちら
第1章・第2章・第3章
ファイルサイズ:1912KB
第4章・第5章
ファイルサイズ:7558KB
第6章(1)
ファイルサイズ:14595KB
第6章(2)
ファイルサイズ:9146KB
第6章(3)
ファイルサイズ:4487KB
第7章
ファイルサイズ:3158KB
写真図版
ファイルサイズ:11985KB
年表編・史料編・抄録・奥付
ファイルサイズ:1320KB
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掲載内容に関するお問い合わせはこちら
文化振興課 文化財係
説明:文化財、世界文化遺産、熊野学など
住所:647-0011 和歌山県新宮市下本町2丁目2番地の1
TEL:0735-23-3368