転嫁拒否行為の禁止
小売事業者や下流の事業者が、下請事業者や上流の事業者に消費税率引上げ分を減額するよう求めたり、
利益提供を求めたりする行為等は「消費税転嫁対策特別措置法」によって禁止されています。
【禁止されている消費税の転嫁拒否等の行為】
(1)買いたたき
⇒通常支払われる対価に比べて、対価の額を低くする行為
(2)減額
⇒消費税率の引上げ分を、事後的に減らして支払う行為
(3)商品購入、役務利用、利益提供の要請
⇒消費税の転嫁を受け入れる代わりに、指定する商品購入やサービス利用、経済上の利益を要請する行為
(4)本体価格での交渉の拒否
⇒消費税を含まない価格での交渉の申出を受けたにも関わらず、その申出を拒否する行為
(5)報復行為
⇒消費税の転嫁拒否行為を公正取引委員会に知らせたことを理由に、取引数量の減少や、取引の停止、不利益な取扱いを行う行為
消費税率の引上げに伴う価格設定について
平成30年11月に、事業者による自由な価格設定が原則であることを再確認する
「消費税率の引上げに伴う価格設定について(ガイドライン)」
が公表されました。※ガイドラインは下部に掲載
消費税は、事業者ではなく、消費者が最終的には負担することが予定されているため、消費税率引上げ後に小売事業者が値引きを行う場合、消費税転嫁対策特別措置法により、「消費税はいただいていません」「消費税還元セール」など、消費税と直接関連した形で宣伝・広告を行うことは禁止されています(平成25年10月1日から令和3年3月31日までの措置)。
ただし、これは事業者の価格設定のタイミングや値引きセールなどの宣伝・広告自体を規制するものではなく、
「10月1日以降○%値下げ」
「10月1日以上○%ポイント付与」
などと表示することは問題ありません。
【禁止されない表示】
①消費税との関連がはっきりしない
(「秋の生活応援セール」「ハロウィンセール」など)
②たまたま消費税率の引上げ幅と一致するだけ
(「2%値下げ」「2%還元」)
③たまたま消費税率と一致するだけ
(「10%値下げ」「10%還元セール」)
④「10月1日以降○%値下げ」「10月1日以上○%ポイント付与」などの表示
【禁止される表示】
事実に反して「今だけお得」などの形で消費者に誤認を与え、駆け込み購入を煽ることは禁止されています。
①取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示
(「消費税は転嫁しません」「消費税はいただきません」「消費税還元セール」など)
②取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示するもの
(「消費税率上昇分値引きします」「消費税率の引上げ分をレジにて値引きします」など)
③消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって②に掲げる表示に準ずるもの
(「消費税相当分の商品券を提供します」「消費税率の引上げ分を後でキャッシュバックします」など)
※詳細は、政府広報オンライン、消費者庁ホームページ等をご覧ください。